第7回 ストックホルム五輪(1912年)と吉野作造
現在放送中の大河ドラマ「いだてん」の新規キャストが発表され、企画展「時代をつくった女性たち」でも紹介している大崎市三本木出身の女性体操教育家・二階堂トクヨのキャストも明らかになりました。企画展の開催期間は3月24日まで。企画展の予習にぜひ当館企画展をご覧下さい。
さて、「いだてん」で描かれているストックホルムオリンピック(1912)。その開催期間中、吉野作造もヨーロッパ留学の真っ最中で、フランスのシュトラスブルグ、ナンシーなどに滞在していました。
7月14日に行われたマラソン競技は記録的な暑さで棄権者が続出したようですが、フランスにいた吉野の日記にも7月11日から7月13日まで「すこぶる暑し」、7月14日には「暑くて堪えられず」とあります。ストックホルムからは2000キロ近く離れていますが、この年は広範囲で暑かったのでしょうか…(?)

暑いといえば、「いだてん」に登場する「天狗倶楽部」という暑苦…元気いっぱいな学生スポーツ団体。その主要メンバーだった中沢臨川(なかざわ・りんせん)は、文芸評論家・工学士の顔を持ち、大正時代には吉野作造が取り組んだ一般国民向けの教育普及事業・大学普及会の同志でもありました。
左の写真は中沢臨川の1周忌(1921年)に制作された団扇で、吉野作造、島崎藤村、田山花袋など交遊のあった人々が署名を寄せたもの(記念館所蔵)。直接ドラマに関わるわけではありませんが、吉野作造も同じ時代を生きていたことが分かります。
*この資料は、「大崎市有形文化財」に指定された「吉野作造関係資料」の1つです。