東京帝大を退官して朝日新聞論説委員となった吉野は、その直後に筆禍事件に見舞われ、朝日新聞社退職を余儀なくされます。この書は、吉野が退社した6月26日の前日に書かれたもので、以後吉野はこの一文を好んで揮毫するようになります。「天に事(つか)へ人に仕(つか)へる」は、クリスチャンとしての吉野の人生観をよく表しています。