吉野作造研究賞 第9回の募集要項を更新しました
吉野作造研究賞は、吉野作造の業績と精神を顕彰・普及するための論文募集事業として平成20年度(2008)に創設されました。平成24年度(2012)の第3回からは、吉野作造が終生後進の育成に取り組んでいたことに鑑み、若手研究者の育成・奨励を目的とした研究賞として、応募資格・募集要項を大幅に改訂し、現在に至っています。募集は2年に1度で、今回第9回の応募〆切は2024年9月末日です。
第9回吉野作造研究賞 募集要項(2022年4月20日 改訂)
〈目 的〉 吉野作造記念館(以下、当館)は、吉野作造が後進の育成に終生取り組んでいたことに鑑み、若手研究者の優れた研究活動を支援するために「吉野作造研究賞」を設ける。
〈応募資格〉 2024年4月1日時点で40歳以下の者による、政治史・政治思想史・文化史等の研究または吉野作造関連の研究で、未発表もしくは2022年4月1日から2024年3月31日までに刊行された著作(雑誌論文または単著)。翻訳や資料紹介は対象に含まれない。
〈応募方法〉 ①応募する著作3部、②応募する著作の要旨(400字程度)一部、③応募する著作の研究史上の意義を説明したもの(200字程度)1部、④所定の様式によるエントリーシート一部を、2024年9月末日(消印有効)までに下記当館宛に送付すること。②~④は様式を当館webページ〔本ページ下部〕からダウンロードできる。なお、応募時の著作は返却しない。
〈選考方法〉 当館の定めた審査委員会による。審査経過に関する問い合わせには応じない。
〈表 彰〉 以下の各賞を設ける。
最優秀賞 最も優れた著作1点を最優秀賞とし、賞状及び副賞(賞金3万円)を授与する。また、最優秀賞とは別に優秀賞(副賞なし)を設ける場合がある。
新 人 賞 応募者のうち、2019年度以降に博士号を取得した(2024年4月1日時点で博士号取得から5年以内)か、もしくは博士号未取得の者による著作で、今後の研究の発展が特に期待できるものを新人賞とし、賞状及び副賞(賞金2万円)を授与する。
〈受賞者の義務〉 各賞の受賞者は、以後の成果の公表は本賞受賞研究であることを明記した上で行うものとする。また、最優秀賞受賞者は、受賞年の吉野作造研究賞授賞式で講演を行い、その講演録(あるいは講演内容を踏まえた書き下ろし論文)を当館研究紀要『吉野作造研究』に寄稿する。
〈応募先〉 〒989-6105 宮城県大崎市古川福沼1-2-3 吉野作造記念館
―応募書類様式―
・要旨(②) ・研究史上の意義(③) ・エントリーシート(④)
過去の受賞者
〈第8回 2022~2023年度(令和4~5)〉(審査講評)
□最優秀賞
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柳愛林『トクヴィルと明治思想史―〈デモクラシー〉の発見と忘却』白水社、2021年
□新人賞
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澤井勇海、East Asia before ‘Diplomacy’: The Transformation of China and Japan’s Foreign Policy-making, 1858-1881(博士論文、2021年5月)
〈第7回 2020~2021年度(令和2~3)〉(審査講評)
□最優秀賞(2作品―記載は応募順)
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熊谷英人氏『フィヒテ 「二十二世紀」の共和国』(岩波書店、2019年2月)
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古田拓也氏『ロバート・フィルマーの政治思想―ロックが否定した王権神授説』(岩波書店、2018年8月)
□優秀賞(2作品― 〃 )
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渡部亮氏「「大正デモクラシー」の政党化構想のゆくえ―社会民衆党の「議会主義」に注目して」(『史学雑誌』128巻8号、2019年8月)
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松本洵氏「初期議会自由党の〈党議〉―議会制度下における一体性の模索」(『国家学会雑誌』132巻9・10号、2019年10月)
〈第6回 2018~2019年度(平成30~令和1)〉
該当作なし
〈第5回 2016~17年度(平成28~29)〉
□最優秀賞(2作品)
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小島秀信氏『伝統主義と文明社会―エドマンド・バークの政治経済哲学』(京都大学学術出版会、2016年3月)
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小野寺研太氏『戦後日本の社会思想史―近代化と「市民社会」の変遷』(以文社、2015年6月)
〈第4回 2014~15年度(平成26~27)〉
□最優秀賞
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武藤秀太郎氏「吉野作造と中国知識人―キリスト教青年会(YMCA)との関連を中心に」(書き下ろし ※『吉野作造研究』第12号に掲載)
〈第3回 2012~13年度(平成24~25)〉
□最優秀賞
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趙星銀氏「「高度成長」反対―藤田省三と「一九六〇」以後の時代」(『思想』2012年2月掲載論文)
□優秀賞
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佐藤太久磨氏「「国際民主主義」から「東洋モンロー主義」へ―吉野作造の国際政治思想」(『ヒストリア』2010年6月掲載論文)
〈第2回 2010年度(平成22)〉
□最優秀賞
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齋藤由佳氏「吉野作造における「婦人」解放論」
□優秀賞
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朱琳氏「二つの中国認識―吉野作造と内藤湖南」
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中村敏氏「吉野作造と朝鮮問題―日韓併合前後から三・一独立運動までを中心として」
※いずれも『吉野作造研究』第7号に掲載
〈第1回 2008年度(平成20)〉
□最優秀賞
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堅田剛氏「吉野作造と鈴木安蔵―五つの「絶筆」をめぐって」
□優秀賞
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秋山真一氏「吉野作造に於ける明治文化の世界」
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西田耕三氏「吉野作造の原型質(アーキタイプ)―若年期の精神史試論」
※いずれも『吉野作造研究』第5号に掲載