作造の長女・信はアメリカで建築を学び、帰国後は日本の女性建築家の草分けとして活躍しました。留学する信に、作造は「路行かざれば至らず、事為さざれば成らず」と書いた色紙を贈って励ましました。「道は行かなければたどりつかない、物事は行わなければ達成できない」という意味です。
作造が日本に伝えた「デモクラシー」、現在では「民主主義」と翻訳されます。現代社会の最も基本的なルールである「民主主義」は、作造によって大正時代の日本に広められたのです。
作造は子どもの頃から体力に自信がなく、運動も苦手でした。それを克服しようと学生時代には歩いて東北中を旅したり、乾布まさつに励んだりなど、健康に気を遣う生活をしていました。
作造は人に頼みごとをされると断れない性格でした。苦学生の生活の世話、就職の世話、ときには結婚の世話まで。大らかで親切な人柄で誰からも親しまれた作造のまわりは、いつも多くの人で賑わっていました。